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5/13(日)私立中高による講演会『進路選択のための学び』セミナー第一弾 実施報告

2018年5月25日

5月13日(日)、以下3校の先生方をお招きして、『進路選択のための学び』セミナーを実施しました。

ソウル在住のお子様及び保護者の皆様、40名強をお迎えして盛況に終えることができました。ここでは、その速報として当日の講演内容をダイジェストでお伝えします。

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法政大学国際高等学校 副校長 河合 知成 様

法政大学国際高等学校 副校長 河合 知成 様
  • スクールの語源を皆様ご存知ですか?スコレ=「暇」が元々の意味です。学校は、元来、貴族階級、特権階級の人が真面目に遊ぶ場でした。○○しなければいけない、という次元とは全く異なります。~~アカデミーなどという名称もよく聞きますが、その語源はアカデメイア、意味は快楽です。
  • 「なんで勉強するの?」という質問への答えは簡単です。「やりたいから」です。そもそもは「やりたくないならやらなくてよい」のです。
  • 物事がわかっていくということのおもしろさ、それを皆と共有するおもしろさ。ここに鍵があると思います。ガリレオは望遠鏡で空を眺めているうち、宇宙の中心が地球であるという当時の一般的な考えに疑問を抱きました。そして、その考えは間違っているのではないか、と皆に対話形式で説きました。当時の宗教観とは全く異なる考えを示すことは、とても勇気ある行動です。でも、彼は覚えさせられたことが間違っているのではないか、という疑問を提示したのです。皆さんが学校や社会から覚えさせられたこと、その中で間違っていることだって、沢山あるはずです。
  • 皆さん、月は本当に丸いですか。どうやって確認しましたか。丸いと教わったから丸いと思っているのではないですか。そうだとしたら、それは丸いと思っているのではなくて、丸いと聞いただけです。
  • 現在の日本の学校教育のベースは、明治時代に出来上がりましたが、2020年の大学入試改革は、一方通行型で知識偏重型な今までの教育の在り方が間違っていると気づいたことの表れの一つにすぎません。この修正がまた本来的でない場合だってあり得ます。
  • 大学に合格しなければいけないという恐怖心を動機にして学ぶのは、よいことではありません。やりたいことを学ぶ楽しさが重要です。
  • 近年、国際=international という言葉をよく使うようになりました。
    Inter(間)―national(国)、つまり、“国の間“です。(ある何かが)どの国の人たち(=どのような文化圏の人たち)の中でも通用すること、が基本です。たくさんの人が使っている言語である英語という言語の習得は、その意味では重要でしょう。でも、言いたいことが何もないのに、英語が話せるという状態はそもそもあり得ないし、意味がありません。
  • 皆さんが韓国にいらっしゃること自体は、アドバンテージだと思います。日本に住む他の受験生には体験できないことが体験出来るチャンスに恵まれている、という点においてです。日本の受験業界や教育業界から取り残されているという被害の意識を持つ必要はないと思います。例えば、入学試験で面接をするとなれば、韓国ではこうだった、と自分の言葉で話してくださる人が欲しいですね。
  • 皆さんは、今、韓国という母国でない場所に居るわけですが、置かれた環境に正面から向き合って、自分が適応したり、周囲を適応させたりする工夫や努力をすること、そこに楽しみを見つけることは、今求められている学力観に近いと考えられます。
  • 法政国際はIBの教育を取り入れており、(IB機構の実施する最終試験に合格すれば)IBのディプロマを取得できるコースがあります。例えば、先日、このような授業をしました。コインを投げたときの確率の問題です。投げた結果には、“表”、“裏”と“たまたま立つ”の全部で3通りありましょう。でも、“表”という事象が起こる確率を1/3とは思わないでしょう。では、これを正確に言葉で説明するにはどうしたらよいのでしょう。ここで学生たちは言語化に悩み、喧々諤々議論をしていました。きちんと理解し説明できるようになるまで考えること、そこに時間を投じることは、今求められている学びのスタイルだと思います。

法政大学女子高等学校は2018年4月法政大学国際高等学校(共学)へ。<主体的に学び、考え、行動し、多様な他者とつながる21世紀のグローバルシチズン(地球市民)を育てる付属校>として性別を問わず生徒を受け入れています。

京華中学・高等学校 校長 町田 英幸 様

京華中学・高等学校 校長 町田 英幸 様
  • 「センター試験」は2020年1月の実施を最後に廃止され、2021年1月から「大学入学共通テスト」が導入されます。大学の3つのポリシーの中で、アドミッション・ポリシーが今回の大きなポイントです。知識・技能だけではなく、思考力・判断力・自己表現等、そして主体性・多様性・協働性を見ますということです。
  • 主体性といっても何で見るか。総合的学習の時間(感覚的にいうとロングホームルーム)だけでは無理、ではどうするんだということで話が大きくなったのです。そこで、アクティブ・ラーニングなどがポイントになってきます。
  • アクティブ・ラーニングはどこの学校でもやっています。また、アクティブ・ラーニングを進化させるためのICT教育というのも、どこでも力を入れています。やっていない学校については、これからの大学入試についていけません。
  • 国公立大を受験する上において、ポートフォリオ評価の提出も条件になっています。ポートフォリオとは、従来行われてきた客観テストによる評価法に加え、生徒の学習歴や学習スタイルなどに配慮した評価法です。
  • ポートフォリオ評価では、皆さんのように海外を経験している子はプラスに働きます。
  • 京華ではe-ポートフォリオを導入しています。生徒一人ひとりにipadを貸し出して、中学高校の成績データ管理から宿題等の指示、ポートフォリオ評価のやり取りも可能にしています。もちろん授業時も利用しますし、英語のe-ラーニングシステムも導入しています(授業・自宅学習で導入)。この日々の学習履歴が蓄積されポートフォリオが完成します。
  • 大学受験のために知識・技能を身につけていかなければいけない状況に変わりはないです。それでは英語の「聞く」、「話す」の技能はどこで身につけるのか、中学時代の取り組みがポイントになってきます。
  • 私立大学のAO入試において45%、一般入試において24%の大学が外部の英語試験を得点化しました。ソウルにいる間に、それなりの英語資格を取得しておくことをおすすめします。
  • 真のグローバル人材になるためには、多言語で会話ができればよいというだけではなく、コミュニケーション能力を身につけ、アイデンティティーを確立させることが重要だと考えます。京華の目指す教育はここにあります。

建学の精神は「天下の英才を得て之を教育す」です。“英才=逸材=優れたもの”を見出し、磨き上げ、世に出していくということです。「大学通信」で毎年行われる東京都内の塾の先生方へのアンケート調査にて、ありがたいことに「面倒見の良い学校」8年連続第一位の評価をいただいております。

宝仙学園中学・高等学校 共学部理数インター 校長 富士 晴英 様

宝仙学園中学・高等学校 共学部理数インター 校長 富士 晴英 様様
  • 中学受験時は、偏差値よりも学習歴が大事だと思っています。学習歴とは何かと言えばその歳になるまで何をやってきたかということです。私はこれを一生懸命やってきました。このことによって友達を作ってきました。あるいはこれをもっと極めていきたいんです。こういう子供が最高です。絶対評価でいいです。自己肯定感が大事なんです。
  • 高校受験となると、相対評価である偏差値もある一定レベルに到達する必要はあると思います。問題は、一定程度になったときにそこで手を打たないでほしいということです。値ごろ感といいますか、そこで手を打ってしまうと成長曲線の途中で止まってしまいます。上がりかけている時、人間的にはそこから成長するからです。
  • 親は子供の成長が見たいわけですよね。結果は受けとめるしかありません。結果を引き受けるのは本人です。悔いなく成長できるチャンスをあげられたかが大人にとって大事なことだと思います。
  • 「理数インター」というと意味不明と言われることもありますが、これはロジカルシンキングを指しています。文系でも理系でも体育系でも芸術系でも第一線の方は皆必要です。ロジカルシンキングとは、あなたの意見は私と違う、でもあなたの言っていることはわかる、こういうことです。
  • プレゼンテーション力、コミュニケーション力が伴うと自身の意見への賛同者が増えます。よって、パワーポイントを含め、プレゼンテーションスキルを上げる必要があります。ただし、コンテンツが大事です。メソッドではありません。コンテンツ、中身とは、思っていることをしっかり話すということです。
  • 宝仙理数インターでは、中1~中3まで教科「理数インター」というアクティブ・ラーニングの授業を行っています。明るく楽しく一生懸命をモットーに取り組んでいます。ただしやることはやっています。進学実績を見てください。
  • なぜ進学実績が上がっているか、いい子達だからです。最後の最後まで頑張る子供達だからです。国立大の2次試験、3月中旬まで本当にやり切った結果です。ただし、言いたいことは結果ではないです。最後の最後まで自己ベストの更新を目指したことです。
  • 大学入試改革ですが、今と180°変わるわけではありません。ただ、今までのようにインプットしたものを4択でアウトプットするというのではなく、自分でストーリーを考えて個性的に表現するというものです。
  • 評価される人間に育てたいと、親が子供に圧をかけてはいけません。何べん失敗してもやり直せばよいと思う子供に育ててほしいです。

プレイヤーは生徒。教員はコーチ。卒業生は後輩のために一肌脱いでくれる兄貴と姉貴。保護者は、そうした関係を見守るサポーター。それぞれが、持ち場で広場を活気あるものにするために、貢献しあう。
宝仙学園理数インターは、この「知的で開放的な広場」を目指しています。

~最後に~ JOBAソウル校 校長 上野 雄太

京華女子中学・高等学校 教頭 樋口 元 様

本日は、『進路選択のための学び』セミナーにご参加いただきましてありがとうございました。
本日のお話を聞けて良かったと、思っていただけましたら大変嬉しいです。
普段の私達も、今日もJOBAに来て良かった、また来たいな、子供たちにそう思ってもらうために日々努力しております。
まずは先生と生徒の信頼関係があってこそ、指導が成り立ちます。
いつでも子供が安心して来ることのできる塾でありたいと思っております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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